WordPressの記事が増えてくると、「このまま1つのカテゴリーに入れ続けてよいのか」「新しいカテゴリーを作るべきか」で迷います。細かく分ければ整理されたように見えますが、1〜2記事しか入らないカテゴリーを増やすと、読者はかえって探しにくくなります。
先に結論を言うと、カテゴリー分けは記事数だけで決めません。「その記事群を別の入口として案内する意味があるか」「今後も同じテーマの記事が増えるか」「既存カテゴリーでは広すぎて探しにくくなっているか」を確認して、新カテゴリを作ります。
カテゴリー分けは「SEOのために細かくする作業」ではない
WordPress公式では、カテゴリーは似た内容の投稿をグループ化し、読者がサイト内を移動しやすくするための仕組みとして説明されています。親カテゴリーを設定して階層を作ることもできます。
一方、Googleはサイト内のページ同士のリンク関係から構造や相対的な重要性を理解します。つまり、カテゴリー名を増やすだけでは十分ではなく、読者が理解できる分類と、実際にたどれる内部リンク構造がそろっていることが重要です。
新しいカテゴリーを作る前に、現在の記事を一覧にする
最初に、現在のカテゴリーに入っている記事をタイトルだけで判断せず、各記事が何を解決するページなのかで一覧化します。
- 記事タイトル
- URL
- 主な検索意図
- 読者が記事を読む段階
- 次に読みたい記事
- 現在のカテゴリー
記事群の関係そのものを整理したい場合は、先に既存記事をトピッククラスターに整理する方法を使うと、分類の候補を見つけやすくなります。
新しいカテゴリーを作る7つの判断基準
1.独立した読者目的がある
新カテゴリーの候補に入る記事が、ほかの記事群とは少し違う「まとまった目的」を持っているか確認します。同じSEOでも「Search Consoleで原因を診断したい人」と「WordPressのサイト構造を整理したい人」では、次に必要な情報が違います。
2.複数の記事がすでに存在し、1記事だけの棚にならない
カテゴリーは記事を入れる棚なので、1記事だけのために作ると分類の意味が弱くなります。ただし、Googleが「何記事ならカテゴリーにすべき」と定めているわけではありません。
実務上は、3記事程度たまったら分割候補としてレビューを始め、5記事前後で独立させる価値を比較し、8記事以上まとまっているなら既存カテゴリーのままでよいか必ず再確認する、といった運用ルールを持つと判断を先送りしにくくなります。これは検索順位の基準ではなく、サイト整理のためのレビュー目安です。
3.今後も同じテーマの記事を追加する予定がある
現在の記事数だけでなく、今後の編集計画も見ます。3記事しかなくても次に5本、10本と追加する明確な計画があるなら、早めに分類を整える意味があります。
4.既存カテゴリーが広すぎて、読者が中身を予測しにくくなっている
カテゴリー名を見ても中に何があるか想像できなくなってきたら分割を検討します。たとえば「テクノロジー」にAI、SEO、WordPress、PC設定など性質の違う記事が増え続けると、一覧だけでは目的の記事を見つけにくくなります。
5.新しいカテゴリー名を短く明確に説明できる
新カテゴリーの名前は、その中に何が入るかを初見の読者が予測できる言葉にします。「その他」「雑記」「便利情報」のように範囲が曖昧な名前では、分割しても探しやすさが改善しません。
6.ピラーページ・内部リンクの役割を分けられる
カテゴリーを分けるときは、記事をフォルダへ移すだけでなく、その記事群の中心ページと内部リンクも確認します。中心記事が必要なら、既存記事からピラーページを選ぶ方法で候補を決めます。
新カテゴリーへ移したことで一部の記事が見つけにくくならないかは、孤立ページの見つけ方でも確認できます。
7.カテゴリー変更でURLが変わらないか事前確認できる
WordPressでは、パーマリンク構造に%category%を含めている場合、投稿のカテゴリー変更が投稿URLへ影響することがあります。また、カテゴリー自体にもカテゴリーアーカイブURLがあります。
既存記事を別カテゴリーへ移す前に、設定 → パーマリンクで現在の構造を確認してください。URLが変わる構成なら、旧URLと新URLの対応を作り、必要なリダイレクト、内部リンク、サイトマップ、canonicalの確認を先に計画します。
記事数は「分割の決定条件」ではなくレビュー開始の合図にする
| 同じテーマの記事数 | 実務上の扱い | 確認すること |
|---|---|---|
| 1〜2記事 | 原則は既存カテゴリー内で様子を見る | 独立カテゴリーにするほどの継続テーマか |
| 3記事前後 | 分割候補としてレビュー開始 | 独立した読者目的があるか |
| 5記事前後 | 新カテゴリーの有力候補 | 今後の記事計画と入口ページの役割を作れるか |
| 8記事以上 | 現状維持でよいか強く再確認 | 既存カテゴリーが広すぎないか、内部リンクを整理できるか |
この表はGoogleの公式基準ではありません。カテゴリーを決まった節目で見直すための運用ルールです。
カテゴリー・タグ・トピッククラスターは使い分ける
| 仕組み | 主な役割 | 新しく作る判断 |
|---|---|---|
| カテゴリー | サイトの大きな分類・ナビゲーション | 独立した記事群として継続する |
| タグ | カテゴリーをまたぐ共通属性 | 複数記事を横断して探す価値がある |
| トピッククラスター | 関連記事を内部リンクで構造化 | 中心記事と詳細記事に役割を分けられる |
既存記事を新カテゴリーへ分ける9ステップ
- 現在の記事URLを一覧化する:タイトルだけでなく検索意図と役割も記録します。
- 読者目的で記事をグループ化する:キーワード一致だけで分けません。
- 新カテゴリー候補を1つずつ定義する:「誰が何を探す棚か」を1文で書きます。
- 今後の記事計画を確認する:数か月後も記事が増えるテーマか確認します。
- ピラーと内部リンクを決める:代表記事と次に読む記事を整理します。
- パーマリンク構造を確認する:カテゴリー変更で投稿URLが変わるか確認します。
- WordPressでカテゴリーを作り、対象記事だけを移す:一度に大量変更せず確認しながら進めます。
- パンくず・内部リンク・カテゴリー一覧を確認する:移動後に読者が自然にたどれるか確認します。
- カテゴリーページのindex/noindexを別に判断する:新カテゴリーを作っただけで自動的にindexする必要はありません。
最後の判断は、カテゴリーページをindexするかnoindexにするかの7基準で行います。カテゴリーの「存在」と、カテゴリーページを「Google検索へ出すか」は別工程です。
新カテゴリーを作らない方がよい5つのケース
- 1記事のためだけに作る
- 名前だけが違い、読者目的がほぼ同じ
- 既存カテゴリーとの差を1文で説明できない
- カテゴリー変更でURLが変わるのに確認していない
- カテゴリー分割だけでカニバリが解消すると考えている
検索結果で複数記事が同じクエリを取り合っている場合は、Search Consoleでキーワードカニバリを確認する方法を先に使います。
PLAY:新カテゴリーを作るべきか6項目で確認する
カテゴリー分割後に確認すること
- 対象記事が意図したカテゴリーに入っている
- パンくずが想定した階層になっている
- 既存記事から新しい記事群へ自然な内部リンクがある
- 孤立した記事が生まれていない
- 投稿URLを変えた場合、旧URLから正しい新URLへリダイレクトできている
- サイトマップやcanonicalが新しいURL状態と矛盾していない
- カテゴリーページをindexする場合は、そのページ自体の内容と検索意図を別途確認している
参考資料
- WordPress.org 日本語「投稿 → カテゴリー」
- WordPress.org「Customize permalinks」
- Google検索セントラル「SEOリンクに関するベストプラクティス」
- Google検索セントラル「URL変更を伴うサイト移行」
まとめ
WordPressのカテゴリー分けは、記事数だけで決めません。独立した読者目的、複数の記事、今後の記事計画、既存カテゴリーの広さ、明確な名前、内部リンク構造、URL変更リスクの7点で判断します。
3記事、5記事、8記事といった本数は「分ける条件」ではなく、カテゴリー構造を見直すきっかけとして使います。新カテゴリーを作ると決めたら、既存記事を移す前にパーマリンクを確認し、移動後はパンくず、内部リンク、孤立ページ、サイトマップまで確認します。
そして、新カテゴリーを作ることと、そのカテゴリーページをindexすることは別の判断です。分類を整えたあとに、カテゴリーページ自体を検索入口として育てる価値があるかを確認してください。